最終更新日 2018年4月12日
ユーロ圏最大のドイツの経済成長に陰りが
Forexliveは4月9日、先頃英国のメディアが報道した、ドイツ経済の成長鈍化を取り上げた。
ユーロ圏で最も強力だとされているドイツ経済で小売売上高が急激に減少、工業生産が鈍化、建設業が低迷していると報道されている。しかもドイツ政府は弱腰で、需要衰退に対する対応策がないという。
これは統計上の単なる雑音かもしれない。しかしほとんどの景気後退は大抵このように始まってきた。先週似たような警戒信号が見られただけでなく、既にユーロは対米ドルで部分的に勢いを失っている。この傾向の行く末に注目しよう。
経済成長のピークが過ぎれば成長率は落ちる
ドイツ経済の成長鈍化はまだ景気後退と呼べるものではなく、単に現在のサイクルにおける経済成長のピークが過ぎただけだとも考えられる。一度ピークを過ぎれば、もちろんそれ以後の方向は下向きになってしまう。
しかしユーロ圏全体で考えると、これまでの2年間の成長はほとんど錯覚であったとも考えられる。欧州中央銀行(ECB)は2.2兆ユーロの紙幣を印刷・流通させ、可能な限り金利を引き下げた。その結果として経済が多少でも回復しないことはまずあり得ない。
最も重要な問題は、量的緩和が引き金となり、実際に経済の回復が始まったかということだ。ユーロ圏では量的緩和の効果が、英国や米国に較べて限定的であったとも考えられる。それとも日本の過去20年間のように、弱い回復効果がすぐ消えてしまうのだろうか。
(画像はpixabay.comより)
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