最終更新日 2018年3月1日
いつもは退屈な通貨が昨年から注目されている
The Washington Postは2月28日、米ドル連動で普段は退屈な香港ドルが、昨年から注目されていることを取り上げた。
香港ドルは1983年から米ドルに連動しており、通常は面白味に欠ける。しかし昨年から少し様相が変わって、2007年8月以来の安値となっており、香港通貨当局(HKMA)が介入しなければならないレベルに近づいている。
もし当局が介入した場合、香港の頑固なまでの低金利が押し上げられ、香港の住宅価格における記録的な高騰を、劇的に反転させるかもしれない。
銀行間の金利が上がると住宅ローンの金利が
HKMAは米連銀の動きに合わせて金利を上げているが、これは中央銀行とその他の銀行の間の金利であって、世界的な金融緩和と中国からの資本流入で資金が潤沢な香港ではほとんど影響力がない。
むしろ重要になるのは各銀行が決定する銀行間の金利で、これは住宅ローンの金利決定に利用されることが多い。主要銀行はこの金利を2008年から変更していない。
香港ドルが米ドルに対して7.85の下限に達した場合、当局は香港ドルを買い入れることが義務づけられている。7.75から7.85の間で市場の流動性を促進するための介入も可能だ。現在の変動幅が設定された2005年以来、当局が介入したのは2008年の世界金融危機の時だけだ。
HKMA局長の12月の発言によると介入の予定はなく、現在のところ市場でも、最低限の金利上昇が予想されている。
(画像はcommons.wikimedia.orgより)
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The Washington Post 記事原文
https://www.washingtonpost.com/