香港のドルペッグ制廃止を考えるときが?

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最終更新日 2018年5月30日

4月からの香港ドル防衛に90億ドル超

Nikkei Asian Reviewは5月28日、香港ドルのドルペッグ制再考を勧める意見を掲載した。

香港のドルペッグ制は35年も続いており、香港金融管理局(HKMA)は香港ドル防衛のために、4月から少なくとも90億ドルを費やしている。当局はまだ4340億ドル以上の資金があり、香港の外貨準備高は一人当たりでは世界一だと投機筋に対してうそぶいている。

しかし今回の香港ドル安は、1990年代に起こったアジア通貨危機のときのように、単に外為投機によるものではない。通貨安の圧力は経済的な論理から発生している。

世界で最も自由な経済を歪める力とは

香港経済の成長率は4%で、通貨安は経済に対する信頼が失われたためではない。

安値の背景には、安い香港ドルを借りて高利回りの米国資産を購入する、大規模なキャリートレードがある。世界で最も「自由な」経済が、中国と米国の金融政策の狭間で歪められている。

米国が金融引き締めを続ける中、中国ではいまだに金融緩和が続いている。中国本土から大量の資金が流れて香港の不動産を買い上げ、1997年の中国返還から20年経過した香港は、地上で最も経済的に不平等な場所の一つになったという。

HKMAの前局長がドルペッグ制の終了を勧めたことが、ここ数ヶ月報道を賑わせている。前局長によれば、中国の金融緩和の巨大な波に香港ドルが呑まれかけているという。通貨や不動産の投機を抑制するためには、もっと柔軟な為替レートが必要だとしている。

(画像はcommons.wikimedia.orgより)

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Nikkei Asian Review 記事原文
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