最終更新日 2018年5月2日
朝鮮戦争以来3度目の南北首脳会談が実現
米国を本拠地とするMarkets Insiderは4月27日、韓国と北朝鮮の再統一が実現した場合韓国通貨にどのような影響がもたらされるか、アナリストの予想を紹介した。
国際社会は朝鮮戦争以来3度目になる韓国と北朝鮮の首脳会談の実現を歓迎した。しかしモルガン・スタンレーのアナリスは、会談が成功すれば韓国通貨の一人負けにつながる可能性があるという。
成果なしから完全な統一まで、4つのシナリオ
もしも会談の成果がほとんどなく両国の間の不安定な均衡が続く場合、韓国通貨の下降はわずかで、大きな被害はないだろう。
会談の成果として多少の経済的な結びつきが再確立された場合、10年前の会談後に韓国通貨が対ドルで3%上昇したように、今回も「適度な」評価がされるだろう。しかしアナリストはこの影響は短期間に過ぎず、すぐに地政学的な緊張が表面化すると見ている。
北朝鮮の経済が開放され、南北で人と物の自由な動きが可能になれば、韓国ウォンに長期的な影響が出るだろう。ただし経済成長は緩やかで、やや高いインフレにつながる可能性がある。統一に必要な費用のリスクもあり、韓国通貨は対ドルで1020の水準に向けて下降する可能性がある。
両国の完全な統一は、韓国通貨にとって痛手となるだろう。生産量および生産性が大幅に減少し、一人当たりのGDPが約30%下がることが予想されている。韓国通貨切り下げに直接つながる可能性は低いが、政策金利が引き上げられ、通貨安の局面で賃金水準の低下が重なる可能性がある。
(画像はcommons.wikimedia.orgより)
▼外部リンク
Markets Insider 記事原文
http://markets.businessinsider.com/