2025年8月17日：米国の利下げ観測強化で世界的に株高、日経平均も大幅反発

インフレ減速が株価に与える好影響

今回の消費者物価指数（CPI）の発表は、米国のインフレがピークを過ぎ、着実に減速していることを示す決定的なシグナルとなりました。FRBは物価安定を最重要視しており、このデータは金融引き締め策を緩和する十分な根拠となり得ます。市場参加者は、これまでのFRBのタカ派的な姿勢が軟化し、年内の利下げが現実的な選択肢となったと解釈しました。この結果、米国債利回りが低下し、株式市場にとっては企業の利益圧迫要因が和らぐとの期待が高まり、特に高PER（株価収益率）のグロース株やテクノロジー株への資金流入が目立ちました。

米株高が日本株をけん引する構図

前日の米株式市場の好調な流れを受け、東京市場もリスクオンのムードに包まれました。日経平均株価は寄り付きから大幅に上昇し、一時的に250円を超える上昇幅を記録しました。米国市場で上昇した半導体関連株やハイテク株が、東京市場でも同様に買われ、指数を押し上げる主要因となりました。また、米国の利下げ観測から円安基調が強まっていた為替市場でも、ドル円が1ドル＝146円台で推移しており、輸出関連企業の業績改善期待も株価の追い風となりました。日米の金融政策の方向性の違いが鮮明になる中で、日本の金融緩和継続への思惑も日本株の強さを支えています。

利下げ期待と市場の今後の見通し

今後も市場の最大の焦点は、米国の金融政策の動向となります。今回のCPIの結果は利下げ期待を強めましたが、FRBは依然としてデータ依存の姿勢を維持するでしょう。次回の雇用統計や他のインフレ指標の結果が重要となります。もしこれらの指標もインフレの減速を示す内容であれば、利下げ観測は一層強まり、米株式市場は引き続き堅調に推移する可能性があります。それに連動して、日本株も堅調な展開が予想されます。ただし、インフレが再び加速する兆候が見られた場合や、FRBが早期の利下げに慎重な姿勢を崩さない場合、市場の楽観的な見方は後退し、調整局面に入る可能性も視野に入れておく必要があります。