最終更新日 2025年6月27日
2025年6月26日 米ドルが3年ぶりの安値、株価は最高値圏に
米ドル指数は6月26日に約0.4％下落し、3年以上ぶりの安値に沈んだ。これを背景にS&P500やナスダックが史上最高水準に迫り、10年物米国債利回りは4.25％前後へ低下。ドル安はユーロや円、スイスフランなど主要通貨に対して顕著だった。
今回の出来事への考察
ドル安の主因は、米政府関与の可能性を背景に、次期FRB議長人事への不透明感が急浮上したことにある。現職議長に対する批判が続いたことで、市場では政治的影響で利下げ圧力が強まるとの見方が広まり、FRBの独立性が揺らいでいるとの懸念へとつながっている。これにより、ドルの構造的な弱含みが鮮明になったと言える。
市場の動向
ドル指数は0.3～0.4％の下落、年初来では10％超の下落に至った。対ユーロでは1.17ドル台、対円は144円強、対スイスフランでは0.80フランにドル売りが進んだ。米国株はS&P500が0.8％、ナスダックが0.97％上昇し、両指数とも最高水準近くを維持。債券市場では10年物利回りが4.248％に下がり、2年物も3.72％付近まで低下と、利下げ期待の高まりが利回りにも織り込まれた状況だ。
今後の展望
ドル安トレンドは当面継続する可能性が高く、7月末の利下げ期待は価格形成に確信を与える見込みだ。ただし、米政府動向や中東情勢の緊張緩和の進展次第では、地政学リスク後退によるドルの反発余地も内包。また、7月9日以降の貿易交渉や関税制度の行方次第では、インフレ圧力が強まり、FRBが利下げスタンスを転換する可能性もあるため、利回りと為替には引き続き注視が必要である。
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