最終更新日 2025年5月20日
米国信用格下げによるドル安で金価格が反発、安全資産需要が再燃
2025年5月19日、米国の信用格付けが引き下げられたことを受け、為替市場ではドルが売られ、金相場は反発した。スポット金は前日比で約0.8%上昇し、1オンスあたり3,228ドル台を回復。市場では安全資産としての金に資金が戻りつつある。米経済指標の弱さも買い材料となり、今後の金融政策や地政学的動向が焦点となる。
信用懸念が金への資金流入を促す構図に
信用格付けの引き下げというイベントは、投資家に対してドルや米国債の安定性に疑念を抱かせる要因となった。その結果、リスク回避の流れが加速し、安全資産である金に資金が流入した。特にドル建て価格における割安感が増したことで、国際的な買い需要が強まった形となっている。加えて、同日に発表された米国経済指標が市場予想を下回ったことも、インフレヘッジ資産としての金の優位性を再認識させる契機となった。
3,200ドル台を下支えに反発するも上値は重い展開
金価格は3,200ドル台を回復したものの、依然として3,300ドルを明確に超える勢いには欠けている。テクニカル面では20日移動平均線が3,230ドル付近にあり、ここをしっかり上抜けられるかが短期的な焦点となる。ボラティリティはやや上昇しており、リスクイベントへの敏感な反応が続いている。為替市場でのドル安が続けば、金のサポート要因となるが、金利の上昇局面では反発の持続性に限界がある点も意識されている。
今後は金融政策と地政学リスクに市場の目が集中
今後の金市場では、米国の金融政策に関する発言や経済指標の動向に加え、地政学的緊張の高まりも重要な要因となる。今週開催されるG7財務相・中央銀行総裁会議では、インフレや通貨の安定性についての議論が交わされる見通しであり、内容次第では金価格のボラティリティが一段と高まる可能性がある。インフレ再加速や債務不安が強調されるようであれば、金価格は再び3,300ドル台をうかがう展開も考えられる。
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