最終更新日 2025年5月20日
米国格下げと円高進行で日米株に明暗、世界市場は警戒感強まる
米国の格付け引き下げにより、世界市場は一時的にリスク回避ムードに包まれた。米国株式市場は下落後に持ち直し、小幅反発。一方、日本株は円高圧力にさらされ、輸出関連銘柄を中心に売りが強まった。日経平均は4日続落し、地合いの悪化が続いている。為替や債券市場も揺れ動いており、金融市場全体に不安定さが広がっている。
信用格下げがもたらしたグローバルな不安定化
米国の信用格付けが引き下げられたことで、財政健全性への懸念が再燃し、世界的に投資家のリスク回避姿勢が強まった。米国市場では一時売りが先行したものの、主要企業の業績期待が相場を下支えし、終盤にかけて買い戻しが優勢となった。これに対し、日本市場は円高進行の影響をもろに受け、輸出企業を中心に売りが広がった。日経平均は4営業日連続の下落となり、投資家心理の悪化が続いている。
株価・為替市場は交錯する動きに
米国ではダウ平均が前日比66ドル高、S&P500とナスダックも小幅に反発し、テック株中心に押し目買いが入った。一方、日本の株式市場では、日経平均が255円安の37,498円となり、TOPIXも続落。為替市場では円が買われ、ドル円は145円台前半まで下落。米国債利回りの変動と相まって、為替と株式の相関が一段と強く意識された一日となった。
今週のイベント次第で市場の方向性が定まる可能性も
今後は、G7財務相・中銀総裁会議での発言や政策協調、また米国のPMIや住宅関連指標など、複数の重要経済イベントが予定されている。格下げの影響が一時的なものにとどまるか、より深刻な資金流出や金利上昇につながるかで、市場のモメンタムは大きく変化する可能性がある。特に日本市場では、円高がさらに進行すれば、企業業績見通しの下方修正リスクも意識されることとなり、短期的には神経質な展開が予想される。
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