2025年7月18日 米国経済の底堅さと為替市場の動向

堅調な小売売上高が示す米経済の強さ

昨日の米国経済は、6月の小売売上高が前月比で増加したと発表され、市場予想を上回る結果となりました。このデータは、米国の個人消費が引き続き堅調であることを示唆しており、景気の底堅さが改めて確認されました。一般的に、個人消費は米国経済の約7割を占めることから、この好結果は米国経済全体の強さを裏付けるものとなります。景気減速への警戒感が一部で囁かれる中、この指標は金融当局が利下げを急ぐ必要はないとの見方を強め、結果としてドル買いにつながりました。市場参加者は、今回の小売売上高の結果を受け、米国の経済成長への楽観的な見方を強めている状況です。

ドル高・円安基調の継続

昨日の外国為替市場では、米国の小売売上高の好結果を受けて、ドルが対円で上昇する展開となりました。ドル円は一時148円台後半まで値を上げ、円安・ドル高基調が継続しました。これは、米国の景気指標が堅調であることから、米国の金融当局による利下げ観測が後退し、日米間の金利差が縮小しにくいとの見方が強まったためです。高い金利を維持する米国債の魅力が相対的に高まり、ドルへの資金流入が続いていることが背景にあります。一方で、日本国内の金融政策については、現状維持の姿勢が続いていることも、金利差に着目した円売りを誘発しています。市場では、米国のインフレが根強く、金融当局が早期に金融緩和に転じる可能性は低いとの見方が支配的であり、これがドルを支える主要因となっています。

今後の為替市場の展望

今後の為替市場は、米国の経済指標、特にインフレ関連のデータと金融当局者の発言に引き続き注目が集まるでしょう。今週後半に発表される消費者態度指数などの経済指標が堅調な結果を示せば、金融引き締め長期化の思惑がさらに強まり、ドル高・円安の動きが継続する可能性があります。また、仮に米国の関税政策が不透明感を増すような事態となれば、それが為替市場に与える影響も無視できません。市場は、金融当局がいつ利下げを開始するのか、その時期とペースについて引き続き神経質な反応を示すと予想されます。現状では、米国の景気の底堅さとインフレ圧力の継続がドルをサポートする一方で、日本の金融政策の現状維持が円安を助長する構図が続くものと見られます。