2025年6月30日 世界経済の落ち着きで米国株は続伸、日本株は一服

インフレ鈍化期待が投資家心理を支えた一日

米国ではPCEデフレーターが予想を下回り、年内利下げ観測が再び意識されたことが投資家心理を支えた。特にテクノロジー株への資金流入が強く、ナスダックは史上最高値水準を維持。これに対して日本市場では、前週までの連騰に対する警戒感と円高進行が利益確定の動きを誘発し、日経平均の上値を抑えた。ただ一部では外国人投資家の買い意欲は根強いとされ、調整が限定的だった点は強気相場が続く地盤の強さを示している。

米国株と日本株の現状とリスク要因

米国株は堅調な経済指標と金利低下期待を背景に買いが続く一方、過熱感も徐々に意識されつつある。S&P500のPERは再び過去平均を上回る水準にあり、今後の企業決算が期待通りでなければ調整が入りやすい環境だ。日本株は米株高の恩恵を受けつつも、円高進行や中国経済の先行き不安が引き続き上値を抑える要因となっている。市場では日銀の政策修正観測もくすぶっており、為替と金利動向が投資家の心理に大きく影響している。

今後の注目ポイントと展望

今後の米国株市場では、週内に発表される雇用統計やISM製造業指数などの経済指標が注目される。インフレ鈍化の流れが続けば長期金利の低下が進み、株価の押し上げ材料となる可能性があるが、逆に労働市場の強さが再び利上げ観測を呼び込めば、相場に調整圧力がかかるリスクも残る。日本株は為替の行方と海外勢の資金フローに注目が集まる。円高が進行する場面では輸出企業を中心に調整が進む可能性がある一方で、好業績銘柄への選別物色は継続しやすく、下値では買い意欲が支える展開が予想される。