最終更新日 2024年10月2日
歴史的な通貨の暴落「ロシアのルーブル危機」とはどんな出来事？
ロシアのルーブル危機は、石油輸出に依存する経済構造が原因の一つであり、1997年のアジア通貨危機の影響も受けました。通貨の急落と財政の悪化が重なり、ロシア政府はデフォルトを宣言し、ルーブルは大幅に切り下げられました。
※ルーブル危機は、財政運営と外部ショックがどのように通貨危機を引き起こすかを示す重要な事例です。
ルーブル危機の背景
1990年代のロシアは、ソビエト連邦崩壊後の市場経済への移行期であり、経済構造が非常に不安定でした。特にロシアは石油やガスの輸出に大きく依存しており、国際市場での石油価格の低迷が国家財政に深刻な影響を与えました。さらに、政府は大量の外貨建て債務を抱えており、国内経済の低迷により債務返済が困難になっていました。
また、1997年に発生したアジア通貨危機がロシア経済に間接的に影響を及ぼし、外貨の流出と信用不安が進行しました。このような状況下で、ロシアは通貨ルーブルを守るために金利を引き上げるなどの対策を講じましたが、最終的に通貨防衛に失敗しました。
ルーブル危機の発生
1998年8月、ロシア政府はついに債務不履行（デフォルト）を宣言し、ルーブルの防衛を断念しました。この時、政府はルーブルを自由浮動相場制に移行し、通貨の価値は急激に下落しました。ルーブルは短期間で大幅に切り下げられ、国民の生活に大きな混乱をもたらしました。
ルーブル危機の影響
ルーブル危機は、ロシア国内と国際金融市場の双方に深刻な影響を及ぼしました。
ルーブル危機後の回復
ロシア政府は、IMF（国際通貨基金）や世界銀行の支援を受け、経済改革と財政再建を進めました。また、石油価格の上昇により、輸出収入が回復し、2000年代に入ってからロシア経済は徐々に立ち直りました。しかし、ルーブル危機によって失われた国際的な信用を回復するには時間がかかりました。
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