最終更新日 2024年2月13日
ゼロカットシステムとは、FX(外国為替取引)において、投資家が保有する口座の残高がマイナスになった場合でも、その損失を業者が補填し、口座残高をゼロ(または初期設定された最低額)に戻すシステムのことを指します。このシステムは主に海外FX業者によって提供されています。
ゼロカットシステムのメリット
- 追証なし: 市場の急激な変動で大きな損失が出たとしても、投資家が追加で資金を供給する必要がありません。つまり、投資した金額以上の損失を負うリスクがなくなります。
- リスク管理: 投資家は、入金した資金以上のリスクを負わないため、リスク管理がしやすくなります。これにより、特にレバレッジを高く設定して取引を行う場合のリスクを抑えることができます。
ゼロカットシステムが発生するケース
ケース1: 急激な市場の変動
- 投資家Aさんは、1万ドルを入金し、レバレッジ100倍でEUR/USD(ユーロ/米ドル)のポジションを持ちました。
- ある経済イベントの発表後、EUR/USDの価格が急激に動き、Aさんのポジションが大きな損失を記録しました。この損失がAさんの入金額を超え、口座残高が-5万ドルになりました。
ケース2: ゼロカットの適用
- Aさんが取引をしているFX業者はゼロカットシステムを提供しています。このシステムにより、Aさんの口座残高は自動的に0に戻され、-5万ドルの損失が免除されました。
ケース3: 追証の免除
- ゼロカットシステムがなければ、Aさんは口座のマイナス分、つまり5万ドルを補填するために追加資金を入金する必要があったでしょう。しかし、ゼロカットシステムのおかげで、追証(追加証拠金の要求)の責任から免れました。
ゼロカットシステムの注意点
- 業者の信頼性: ゼロカットシステムを提供する業者が信頼できるかどうかは、その業者の財務健全性や規制状況に依存します。システムの提供を約束していても、業者が財務難に陥るとその約束が守られない可能性があります。事前に利用業者のリサーチが重要です。
- スプレッドの拡大: ゼロカットシステムを提供する業者は、このリスクヘッジのコストをカバーするために、スプレッド(売買価格の差)を広げることがあります。これにより、取引コストが増加する可能性があります。業者のスプレッドは事前に確認することが大切です。
- 市場状況: 市場の急激な変動時には、注文が想定通りの価格で約定しないスリッページが発生しやすくなります。これにより、損失が拡大する可能性があり、ゼロカットシステムが適用されるケースも考えられます。
ゼロカットシステムは、投資家にとって大きな損失を回避するための保護措置となり得ますが、システムの適用条件や関連する取引コストについては、各業者の規約をよく理解した上で利用することが重要です。